宿題が嫌いな子を机に向かわせるためにできる 親の関わり方
子供が机に向かうのを嫌がり、宿題をしなくて困ることはありませんか?家庭での親の関わり方次第では、「勉強」=「楽しい」と思うようになり、子供が自ら机に向かう心を育みます。子供が宿題を嫌いな理由を考え、子供の気持ちを理解した上で、子供の宿題のサポートをしましょう。また、幼児期から机に向かう時間を習慣づけることで、就学後の家庭学習が取り組みやすくなります。
小学校や学習塾へ行くと宿題が出ます。
「一人で宿題ができる子どもはどれくらいいるのだろう?」と思うほど親が関わらなければなりません。
低学年から「一人で宿題をする」ことは難しいとことなのです。
そのことを踏まえたうえで、一人でもできるように親がサポートしてあげましょう。
個人差によりますが、「宿題のやり方」を正しく教えることで子どもはスムーズに宿題を終えることができます。
目次 |
▼ 勉強のやる気を高める幼児期の関わり方 |
▼ 楽しいと思ってもらう親の関わり方 |
▼ 宿題をする意味を理解できているか |
▼ 子供がイライラする対策 |
▼ 机に向かう姿勢を習慣化させるには |
▼ さいごに |
勉強のやる気を高める幼児期の関わり方
子どもに「勉強しなさい」と言ってはいけません。
勉強は、あくまでも「自分が学んで楽しい」ものでないと継続できません。
「勉強=いやな事」 とインプットされてしまった場合、その事実を払拭するには時間がかかります。
「勉強=新しい発見(楽しい)」 というように子どもを導きましょう。
分からない時には「調べ方」を教える
幼児期の子どもは鉛筆やクレヨンで絵を描き、創作することが好きです。
自分の興味のあるものを図鑑で見ることも好きです。
しかし、小学生になると辞書で調べるという行為を嫌がる子どもが増えます。
なぜでしょうか?
その答えは、幼児期に「調べること」を定着させなかったからです。
幼児期に「調べる」という行為を定着させておけば、小学生になった子どもは自分で調べます。
調べ方がわからない時は親のサポートが必要ですが、何をしていいのかわからない、面倒だからしないという状態にはなりません。
自分で学習をすすめることのできる子どもは宿題や勉強をするうえで止まってしまうことが少ないのでやる気を継続することができます。
楽しいと思ってもらう親の関わり方
幼児期や小学校低学年の子どもは素直な部分も多く、親からの言葉を吸収しやすい時期です。
子どもは楽しいことが大好きで、強制されることやおもしろくないことはしません。
この時期に勉強は楽しいことだと教えることが重要です。
それには親も楽しめる工夫が必要です。
親が楽しんでいると、子供は自然と「楽しいこと」と学習します。
逆に親がイライラしている時やせかしている時は子どももイライラします。
子供と「一緒にする」時間を作りましょう
子どもに学習させる時は、親は時間に余裕をもち自分も楽しめるような環境でしましょう。
勉強をする時に注意することは、「させる」ではなく「一緒にする」ということです。
親は答えや解き方を分かっているので正しく指導してしまいますが、子供にとってあまり重みにならないアプローチを心がけましょう。
「ここはどういう意味かな?」「○○ちゃんはどう思う?」「お母さんならこうするかな」というように問いかけるように答えに導くことで、子供は自分でできたという達成感も得られます。
このような小さな達成感や成功体験を繰り返すことで子どもの勉強への意欲を膨らませることができます。
宿題をする意味を理解できているか
宿題をする意味を教えたことがありますか?
宿題は、学校から出されている課題なので強制していませんか?
「やるのがあたりまえ」と説明してはいけません。
宿題にはいくつかの目的があります。
宿題をする目的
- 学校で学習したことの復習をして習得を確実なものにする
- 家庭学習をすることで学力の向上をはかり、個人の能力をあげる
- 出された課題を遂行する能力を育てる
義務教育は社会で生き抜くため土台を育む
義務教育で習得する学習能力は社会での基礎となる能力です。
文字がていねいに書けない、計算ができないということでは大人になってから困ります。
漢字の苦手な子どもに「漢字が読めないと説明書が読めないから困るよ」「文章が理解できないと書類にサインができないよ」と教えたことがあります。
大人になった際の日常生活を想像させ、「漢字が読めないと困る」「計算ができないとお金を使う時に困る」と説明すると理解をしてくれました。
大人になれば、日常生活において期日までに何かを終えなければならないということがたくさんあります。
小学生の頃から提出物をきちんと出し、忘れ物をしないように心がけ、課題を予定どおりに終える練習をすることで、大人になってから仕事や生活で困ることの少ないようにします。
学校の勉強とは直接的でない話でも、大人になってからどのように役に立つのか伝えることで子供のやる気は変化します。
子供がイライラする対策
勉強が嫌いになってしまった、嫌な行為と認識してしまった場合、子どもは勉強することを避けます。
親は嫌がっている子供に宿題をさせようとしますから、子ども親もイライラするという負のスパイラルになります。
ここで重要なのは、親がイライラしないことです。
心のなかではイライラしますが、それを子どもに伝えてはいけません。
子どもは親の心の動きに敏感です。
なぜ宿題を嫌がるのかを考る
- やり方がよく分かっていない
- 勉強の内容が理解しにくい
- 集中力がもたない
上記に示したことが主な理由として挙げられます。
「やり方」については、筆記用具を準備してノートを開いて問題を解くことです。
しかし、小学生の低学年ではこの一連の動きをスムーズにすることは困難です。
大人にとっては準備して書くだけですが、
子どもにとっては、
・ランドセルから必要なものを選別
↓
・連絡ノートで宿題を確認
↓
・ドリルとノートを開く
↓
・下敷、鉛筆、消しゴムを用意
↓
・問題を解く
これだけの経緯を経て「問題を解く」という行為に、やっとたどりつくのです。
問題を解くまでにこんなにも多くのミッションがあり、問題を解くために文章も読まなければ宿題にとりかかれないのです。
子供の気持ちを理解する
- 「ちゃんと読みなさい」と言われても…読んでも意味がよくわからない。
- 疲れてしまって集中力がなくなる。
- やらないといけないのにできなくてイライラする。
このような子どもの気持ちをまずは親が理解してあげてください。
そのうえで、準備を手伝ってあげて、問題を一緒に読むサポートをして子どもの成長を促しましょう。
最初から全部はできません。
徐々に子供ができることを増やす練習をしましょう。
これらの行為を繰り返すことで最終的には自分で宿題ができるようになります。
机に向かう姿勢を習慣化させるには「続ける」ことが大切
机に向かう習慣をつけるにはいくつかの方法があります。
まずは、子どもが集中できる時間や座ってできる時間を把握します。
幼児や低学年の場合は集中できる時間が短く個人差も大きいです。
小学生の場合は集中できる時間は10分~15分程度です。
短いと感じると思いますが、テレビやゲームを受動的な動きが多いので継続することができますが、宿題のように自分で取り組む行為に関しては長く継続することは難しいです。
最初は5分くらいからでかまいません。
ストップウォッチ等で1分や2分単位で時間を指定して、その時間だけ集中することから始めましょう。
また、机に向かう習慣は勉強や宿題だけでなく、好きな本を読む、工作をする、絵を描くという行為でもかまいません。
このような行為を繰り返すことで、机に向かう習慣をつけ、集中力を継続することができます。
これらは、数週間、数か月、数年というスパンで蓄積されていくものなので短期間で効果を期待せずに続けることがポイントです。
さいごに
子どもの勉強習慣や宿題を自分でする能力は一人では身につきません。
できるだけ早い時期に親が関わり、適切なサポートをすることが重要です。
また短期間では身につきにくい能力なのでコツコツと続けることが必要です。
そのために親は時間と気持ちに余裕をもって取り組みましょう。