本が好きな子供が育つ家庭環境の作り方特集!
本を好きになるには、楽しく本に触れ合うことがポイントになります。子供が興味のあることや子供のペースを乱さず見守ることも時には大切です。子供は、本や絵本からさまざまなことを学びます。小学校受験を目指すお子さんには、絵本の他に「日本の昔話」や「童話」を読み聞かせることで話の理解力が鍛えられます。
子供には、本好きになって欲しい。本好きの子供に育てたい。
そう考えるお母様方はきっと多いですよね。
では、子供が本好きになるには一体どうしたら良いのでしょうか?
本好きのお子さんへ育てる為に、お伝えしたいポイントがいくつかあります。
本好きになる家庭には共通点があります。
ここでは、「子供を本好きにさせたい」と悩むお母さま方と共に、比較的手の届く範囲で、子供が本好きになる方法を紹介していきたいと思います。
目次 |
▼ 本が好きになると 大人になって役に立つ国語力の基礎がつく |
▼ 「読書」で得られる効果とは |
▼ 本が好きな親・嫌いな親が「本好きな子供」を育てるコツを紹介! |
▼ 子供が自然と本を手に取りたくなる 参考にしたい「本棚」とは |
▼ 読み聞かせは ゆっくりと聞きやすい口調で |
▼ 子供に無理はさせずに楽しい読書の時間を過ごさせましょう |
▼ さいごに |
本が好きになると 大人になって役に立つ国語力の基礎がつく
本好きになると、実に多くのメリットが生じます。
特にその中の1つとして「国語力がつく」という事が挙げられます。
この「国語力」という言葉。
最近、よく聞くようになってきましたが、そもそも「国語力」とは何なのでしょうか?
文部科学省サイトでは次のように記されています
<これからの時代に求められる国語力の構造>
- 考える力,感じる力,想像する力,表す力から成る,言語を中心とした情報を処理・操作する領域
- 考える力や,表す力などを支え,その基盤となる「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」の領域
ひとつひとつをゆっくり見ていくと、どれも生活や生きる為に必要な基礎力であると言えます。
毎日の生活の中で使われない事は恐らく殆どありません。
社会人になってから特に必要な力とも言えます。
勿論、子供を将来「会社で出世させたい」「成功させたい」という場合にしても、「国語力」の差がものを言うでしょう。
その国語力を育成する為にも大いに効果があるのが読書なのです。
「読書」で得られる効果とは
本を読むという 限られた時間と行為の中にどのような効果があるのか見てみましょう。
- 読解力を養う
文章を理解する力が鍛えられる 語彙力 を伸ばす
多くの言葉に触れるので、使える言葉が増える
言い回し方や表現方法が増える- 文章力がつく
様々な文章表現を知る
文章の書き出しや構成などが自然と身に付く
文章を書く際の表現方法が増える - 想像力を鍛える
小説などを読みながら人物や状況を想像する
頭の中でイメージする事で想像力が鍛えられる - 多くの考え方や人生・選択肢を知る
生きた時代が違う人などの言葉に触れれる
特に自伝は、先人の知恵を学べる - 相手の気持ちを察する
人の生き方、行動などが納得できるようなる
相手の立場になって考えることが容易にできる - 広い視野・視点を持つ
今まで知らなかったことを学べる
経験できないことも知識として吸収できる
経験を疑似体験ができるなど
その他、様々な要素が詰め込まれています。
特に、携帯電話やインターネットが普及したこの現代においても読書が有効であるのは、「想像力を伸ばす」、「相手の気持ちを察する」など、携帯電話やインターネットには決してない情緒的効果や視野の広さがあるからです。
このご時世、携帯電話やインターネットが便利で必要である事に対しては、決して否定はしません。
ただ、ある程度 使う側に意思や思考力がついた上で賢く利用するのに適しているツールと言えるでしょう。
本が好きな親・嫌いな親が「本好きな子供」を育てるコツを紹介!
それでは子供が本好きになる為のコツについて、具体的に考えていきましょう。
親が本好き
子供のペースで読書を進めさせましょう
親が本好きであれば、当然、自然に子供も本好きになります。
親が本を読んでいる姿の中に、親の「楽しそう」「嬉しそう」という表情が、しっかり見えるからです。
親が楽しそうにしていたり、心地よさそうにしていたりすると、子供は居心地の良さと信頼を感じます。
これは本に限らず、何にでも言える事です。
親が本好きな家庭ならば、親が本を読んでいる姿は幼い頃から自然に見ますし、またその本棚には多少の本が揃っているものです。
最近は電子書籍を利用する方も多いと思いますが、子供はデジタルな画面を通して「親が本好きである」という、同様の効果は得られやすいと思います。
つまり、親が努力しなくても、子供が本好きになる環境がいつの間にか出来あがっていると言えます。
子供が本を読もうとしなくても、根底には本や本を読む事に対して良いイメージが自然についているわけです。
その為、大抵の場合、そのまま特に頑張らなくても子供は本好きになりやすいと言えます。
ただ1ここでつ大事なのは、本を読むペースや「何を読むか」など、親が良かれと思って、焦って子供に自分の考えを押し付けようとしない事です。
せっかく環境が整って本人も本好きでいるのに、読書が強制的になってしまうと全てが台無しです。
仮に、子供が本を読むペースが親が思っている以上に遅かったり、あるいは子供が選ぶ本があまり好ましくなくても、よほどの事がなければ黙って見守りましょう。
親が本嫌い
子供が興味のある分野から本に触れさせる
もちろん、全ての親が本好きとは限りません。
「子供には本好きになって欲しいけど、自分は実は本が嫌い(もしくは苦手)」だという方も中にはいらっしゃる事でしょう。
それはそれで仕方がありません。
問題は、「自分は本が嫌いであるにもかかわらず、子供には無条件に読書を押し付ける」事です。
それでは子供が納得しないのも当然です。
ここで考え方を少し変えて見て下さい。
実は「全く本を読んだ事がない人」というのは、恐らくあまりいません。
ただ「このような本を読むべきだ、読まねばならない」という教科書的な あるいは模範的なイメージに苦痛がある方が多いと思われます。
子供の頃、読書感想文の課題図書に抵抗があったという方も意外に多いはずです。
しかし、自分の好きなものに関連する本であったり、興味がある分野の本を見つけ出せれば、それを読むのはあまり苦ではありません。
例えば
- 好きなゲームがある
→それに関連する本
(魔法使い、妖精、戦国時代など) - 好きなテレビドラマ(映画も含め)がある
→ドラマ(映画)の原作本
などです。
ただそれが「読書」として推奨される本との違いが感じられる為、読書としてカウントされにくい部分がありますが、一旦、自分が好きな分野を見つければ、一気に読みたい本や読みやすい本は増えます。
スタートやきっかけはこのようなところからでも良いのです。
これは大人も子供も同じです。
例えば、幼い男の子の場合、「物語」より「図鑑」に興味が出る事も多いです。
また更に幼い場合、男女関係なく、「読む事」よりも「絵」に興味を持つ事があります。
文字や物語に触れることも「読書」に進む為の大事なプロセスの一つです。
特に絵本の場合、絵が綺麗で魅力的なものも多い為、字よりも絵から入る場合も多いです。
それらも全て含め、「読書」だと考えていきましょう。
「本嫌いな親」が突然「本好き」になるのは難しいです。
せめて本に対する抵抗をなくし、「読書」へのハードルを下げてみましょう。
それは確実に子供に伝わります。
少なくとも、「本嫌いな親」が自分にだけ読書を強要する事に比べれば、子供が挑戦してみたい気持ちは一気に高まるはずです。
子供が自然と本を手に取りたくなる 参考にしたい「本棚」とは
出典:楽天:コチ ワームス
さてここからは、子供に本を読ませる為の環境で要となる「本棚」について考えてみます。
幼いお子さんそして小学校低学年くらいまでのお子さんであれば、本棚はリビングに置くのが望ましいでしょう。
広くなくとも、こじんまりしたスペースで構いません。
本棚と、本を読めるちょっとしたスペースを作ります。
クッションや椅子などを近くに置けば、手にとった本をすぐにその場で読めます。
遊び場や書店の絵本コーナーをイメージしながら「子供が読みたくなる本棚」を作りましょう。
通常、収納をする場合はぴったり綺麗に整頓をする事が望ましいですが、子供の本棚を作る場合は、少し変わってきます。
子供の本棚に関しては、「収納」というより「コーナーを飾る」「ディスプレイする」など「見せる収納」を意識して並べた方が有効です。
子供にとってより魅力的な本棚になり、子供が絵本に興味を持ちやすくなります。
具体的にどのように収納をするのかポイントを見てみましょう。
① 絵本の表紙が見えるように置く
書店を思い浮かべてみて下さい。
背表紙ではなく、本の表紙が見えるように棚に並べられているのを目にすると思います。
書店では、本を棚に立て、背表紙ではなく表紙を見せて陳列する事を「
家庭でも子供の手に取りやすい位置に「面陳列」で数冊並べましょう。
子供がお気に入りの絵本や表紙の絵が美しい絵本、また親が特に読ませてみたい絵本などを選ぶのがポイントです。
目に付きやすい本は、お子さんが手に取りやすくなります。
② ぎっちり詰め過ぎない
いくら本が綺麗に収められていても、ぎっしりし過ぎて子供が自分の力で本を取り出す事が出来なければ、せっかく良書ばかりの本棚も台無しです。
本が、ぎっしり詰まっていると取り出すのも難しければ、そのうち子供は本を取り出す事自体を諦めかねません。
子供が1人で出し入れしやすい程度に、本棚の空きスペースに少し余裕を持たせましょう。
本棚に置く冊数は多くなくても良いのです。
③ 絵本に関連する おもちゃや ぬいぐるみなどを近くに置く
例えば、お料理や食べ物に関する場面がある絵本なら、近くにおままごとセットを置いてみる。
あるいは、絵本に出てくるキャラクターのぬいぐるみがあればその絵本の近くに飾ってみる。
絵本の内容に関連するおもちゃやぬいぐるみが近くにあるとその絵本の世界への想像がふくらんでくるでしょう。
そのような関連付けも、子供がより絵本に楽しく触れ、親しみやすくなるポイントになります。
④ 子供が手に取りやすい位置に本を並べる
子供の視点より 心持ち高めでかつ手の届くあたりに、これから読ませたい絵本を中心に置きましょう。
また、子供の視点から少し下にはお気に入りの絵本や既に何度も繰り返し読んだ本などを置いてみます。
お子さんがまだ幼くお座りしている場合には、一番下のコーナーを中心に手に取りやすい位置に本を並べます。
幼いうちから本に慣れ親しむ為にも、本がすぐ手にできる環境が大切になります。
⑤ 定期的な並べ替えで新鮮さをアップ
可能であれば、定期的に並べ方を変え、本棚の模様替えをするとなお良いです。
ある程度見慣れてくると、本棚は「見慣れた風景」に変わってしまいます。
例えば
- 四季の変化に合わせる
四季に合わせ、面陳列の絵本をその時期にあった内容のものへ入れ替える。
周りに置く小物やおもちゃも少し変えてみる。 - 「今月のおすすめ絵本」コーナーをつくる
毎月、その月のおすすめ絵本を面陳列する。 - 定期的に分類テーマを変える
「車」「お料理」「色」など、定期的に分類テーマを変えて本を並べる。
これは「欲を言えば」での話です。
頻繁に行っていては親もストレスになります。
部屋の模様替えの時に一緒にするなど、負担のない範囲で行って下さい。
読み聞かせは ゆっくりと聞きやすい口調で
子供が幼い時期~小学校低学年位までは、出来るだけ「読み聞かせ」をするのが望ましいです。
出来るだけゆっくりと、聞き取りやすいトーンで読み聞かせをしてくださいね。
また、場面によっては抑揚をつけて少し大げさに読むなど、メリハリをつけてあげて下さい。
「読み聞かせ」の時間は、親と子のコミュニケーションだけではなく、親子で絵本の世界を共有することができます。
【絵本の読み聞かせによる効果】
- 情緒面が伸びる
- 人と人とのコミュニケーションを知る
- 言葉を知る
- 感情表現が豊かになる など
読み聞かせには様々な効果が期待出来ます。
絵本を読む事が習慣づいていない間は、冊数はあまり気にしないで良いと思います。
1冊だけでも全く問題ありません。
読書の習慣がつかない内は、文字数が少ない絵本やすぐ終わるもの、あるいは年齢よりもちょっと下のものでも十分です。
もしお子さんのお気に入りの絵本がある場合は、毎日同じ絵本でも良いでしょう。
「読み聞かせの時間は、お母さんがより機嫌良く一緒にいてくれる」というイメージがつけば、「読み聞かせ」がより一層好きになり楽しくなります。
段々慣れてくると、子供から「もっと読んで欲しい」とせがむ事も出てくるでしょう。
その日の体調や状況にあわせ、子供も親も無理をしないようにしながら継続していきましょう。
子供に無理はさせずに楽しい読書の時間を過ごさせましょう
さて、ここまではずっと「本好きの子供にする為のコツ」「本棚作り」など、いわば方法論についてお伝えして来ました。
子供に本好きになってもらいたいのであれば、決して「子供に無理はさせない事」です。
せっかく「本好きの親」がいて「楽しい本棚」があって「読み聞かせを継続」していても、本人あるいは親にどこか負担があるならば、必ず「読書」への抵抗が出てきてしまいます。
冊数は多くなくて良いですし、文字数も少なくても良いです。
最低限のペースで良いです。
仮にお母さんの体調が悪く、読み聞かせが難しければ、無理せずその時は休んで下さい。
お父さんによる読み聞かせも大いに効果があると言われています。
時々お父さんに読み聞かせをお願いするのも、お子さんとお父さんとのコミュニケーションの良い機会となるでしょう。
とにかく、決して焦らない事です。
子供が本好きになったかどうかというのは、目に見えるものではありません。
「読書の効果」などの「要領」的な部分を重要視して事を進めると、残念ながら、本来の読書の良さは失われてしまいます。
非常に難しい事だと重々承知しておりますが、「子供に無理はさせない」、「楽しく読書の時間をもつ」事が、「本好きになる家庭」にも共通するポイントである事をどうぞ忘れないでいて欲しいと思います。
さいごに
お受験を目指すのであれば、子供には進んで絵本などを手に取り 本の世界を堪能して欲しいものですよね。
本が好きになると知識を吸収するだけではなく、想像力、集中力も鍛えられていきます。
幼い子供は、体調を崩しやすいものです。
本と触れ合う習慣をつけるためにも子供に無理はさせないようにしてください。
親子で楽しみながらお子さんの本と触れ合う時間を作ってくださいね。