【かかりたくない冬の感染症】インフルエンザの症状と予防方法
肌寒い季節となってきました。年末に向けてお子様のインフルエンザの予防接種を考えているご家庭も多いのではないでしょうか? 冬は空気が乾燥するので、ウイルスが浮遊し体内に侵入しやすくなります。秋~冬は、私立小学校や国立小学校、私立幼稚園の入学(入園)考査があります。お受験で力を出し切るためにもインフルエンザの予防など体調管理が大切な時期です。
お受験のラストスパートを体調を崩さず乗り越えたいものですよね。
今回は冬の代表的な感染症『インフルエンザ』についてまとめてみました。
インフルエンザに感染すると「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」は登園・登校ができません。
インフルエンザの予防法と家族がインフルエンザに感染したときの対策についてまとめてみました。
目次 |
▼ 【症状の違いまとめ】インフルエンザと風邪 |
▼ 予防接種や手洗い・うがいでインフルエンザの感染予防! |
▼ インフルエンザの検査と治療方法 |
▼ 家族がインフルエンザに感染した時の対策 |
▼ さいごに |
【症状の違いまとめ】インフルエンザと風邪
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症のことをいいます。
インフルエンザは普通の風邪と違い、38度以上の高熱に加えて関節痛や筋肉痛、倦怠感、食欲不振などの全身症状が表れるのが特徴です。
咳や鼻水、くしゃみ、のどの痛みなどの呼吸器症状、腰痛や吐き気などの消化器症状が出ることもあります。
発症してから10日前後で症状が落ち着き治癒しますが、肺炎や脳炎など重大な合併症を起こす可能性もあるので注意が必要です。
普通の風邪は一年中見られますが、インフルエンザは冬季に流行するのも特徴です。
冬が近付いてくる頃には、インフルエンザウイルスへの感染予防をしていきましょう。
風邪 | インフルエンザ | |
発症時期 | 1年を通じ散発的 | 冬季に流行 |
症状の進行 | ゆるやか | 急激 |
発熱 | 38℃以下の発熱 | 38℃以上の高熱 |
主な症状 |
上気道症状 ・咳 ・くしゃみ ・のどの痛み ・鼻水 ・鼻づまりなど |
全身症状 ・咳 ・のどの痛み ・悪寒 ・全身倦怠感 ・食欲不振 ・関節痛 ・筋肉通 ・頭痛など |
原因 | さまざまなウイルスや細菌 | インフルエンザウイルス |
予防接種や手洗い・うがいでインフルエンザの感染予防!
インフルエンザの感染は、ワクチン接種による予防と 手洗い・うがいなど日常生活で予防するこができます。
ワクチン接種による予防
インフルエンザ ワクチンの接種で、インフルエンザウイルスへの抗体が体内に作られます。
予防接種によって、重症化や死亡を予防するなど被害を最小限にすることが期待できます。
インフルエンザ ワクチンの効果は、接種後2週間から5ヶ月程度です。
例年12月~翌年3月頃にインフルエンザは流行します。
11月中に予防接種を終わらせるのがおすすめですよ。
日常生活における予防
インフルエンザウイルスは、飛沫や接触によって体内にウイルスが入ることで感染します。
- 飛沫感染
…感染した人の咳やくしゃみによって飛んだ飛沫
に含まれるウイルスを、別の人が口や鼻から
吸い込み、そのウイルスが体内に入る込むこと。 - 接触感染
…感染した人が咳を手で受けた後や鼻水を手で
ぬぐった後に、ドアノブなどに触れると、その
触れた場所にウイルスを含んだ飛沫が付着する
ことがあります。
その場所に別の人が手で触れ、さらにその手で
鼻や口を触れることで粘膜などを通じてウイル
スが体内に入り感染します。
飛沫感染や接触感染を防ぐためにも、外出後の手洗い、うがいは、重要な役割を果たしています。
流行シーズンは人混みや繁華街への外出は控えたいものですが、どうしても行かなければならないときはマスクの着用を着用しましょう。
冬は空気が乾燥し、空気中にウイルスが浮遊しやすくなるので、室内を適度な湿度(50~60%)に保ちましょう。
冬は体温が低下しやすく、免疫力も低下しやすくなります。
栄養と睡眠を十分にとり、抵抗力を高めておくことも効果がありますよ。
特に高齢者や慢性疾患を抱えている人、子供や妊婦さん、疲労気味であったり睡眠不足の人は予防を徹底しましょう。
インフルエンザの検査と治療方法
インフルエンザの症状がでたら、早めに医療機関を受診しましょう。
インフルエンザウイルスは増殖スピードが速いので発症後48時間以内の治療が重要になります。
早期に治療に当たるほど体内のウィルスが少ないので治療も効果があります。
インフルエンザの検査
インフルエンザ感染の有無は、検査キットを使って調べる方法が一般的です。
流行時期には、ほとんどの内科などの病院にあります。
「迅速抗原検出キット」と呼ばれ、10~15分程度で検査結果が出てきます。
鼻やのどの粘膜を綿棒でぬぐった液や、鼻水を使って検査します。
これによりインフルエンザウイルスに感染しているかどうかだけではなく、感染しているウイルスの型まで分かります。
発症後12時間~48時間位が検査をするには最適と言われています。
発症から2~3日後に最も数が多くなり、その後ウィルスが減少していきます。
症状が出る前やウイルスの量が少ない時期に検査をしたり、粘膜の採取がうまくできなかった場合は、感染していても陰性になることもあります。
抗インフルエンザ薬による治療
インフルエンザは症状が出てから2~3日後にウイルス増殖のピークを迎えます。
そのため48時間以内に抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)を服用しないと効果が出にくいといわれています。
ノイラミニダーゼ阻害薬はウイルスの増殖を抑えて感染の拡大を防ぐ薬なので、発症後すぐに服用を開始することが重要です。
服用していない場合と比べて発熱期間が1~2日短縮されます。
薬の服用後、熱が下がっても体内のウイルスがすぐにいなくなるわけではありません。
体内に残っているウイルスがまわりの人に感染する可能性があります。
熱が下がったからといって服用をやめないようにしましょう。
【抗インフルエンザ薬】
・タミフル:内服薬
…1日2回5日間内服
・リレンザ:吸入薬
…1日2回(朝・夕)吸引を5日間
・イナビル:吸入薬
…1回吸入(長時間作用)
・ラピアクタ:点滴静注
…1回点滴
の4種類があります。
インフルエンザにかかったときは安静にして睡眠を十分にとること、脱水症状にならないように水分を補給することを徹底します。
感染を広げないように外出を控え、家の中でもマスクを着用することも大切です。
家族がインフルエンザに感染した時の対策
一緒に住んでいる家族がインフルエンザにかかったときは、家庭内での感染を防ぐことが大切です。
手洗いやうがい、マスクに加えて部屋の空気の入れ替えや湿度を保つことを心掛けましょう。
寝る場所や食卓を分けることで感染を少しでも抑えることができます。
家族の看病をしていて、インフルエンザの症状に加えて重症化のサインがみられた場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。
出典:厚生労働省「インフルエンザ一問一答」
特に小児に多いといわれていますが、インフルエンザ脳症の症状が見られると、最悪の場合死に至ることもあります。
また小児がインフルエンザにかかった場合、発症してから5日、解熱してから2日が経過するまで出席停止となります。
学校や園によって決められている場合もあるので確認が必要ですが、症状が落ち着いていても無理せず家でしっかり休ませてあげてください。
成人の場合は出勤再開に関する決まりはありませんが、感染を広げる可能性があるため外出には注意が必要です。
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザウイルス感染に伴う発熱後、急速に神経障害・意識障害を伴う病気です。
インフルエンザ脳症の発症は、1~5才の幼児に多く、進行はきわめて早く、脳に障害が残ったり死に至る場合もあります。
発症すると数時間~1日以内にけいれん・意識障害・異常行動などの症状が出てきます。
- けいれん
…けいれんが10~15分以上続く場合
時間が短くても何回も繰り返す場合
左右非対象のけいれん
など - 意識障害
…名前を読んでも返事が返ってこない
少しの痛みにも反応しない
など - 異常言動・行動
…食べ物の区別がつかない
幻聴・幻覚を訴える
ろれつが回らない
おびえ・恐怖感の訴え
急に怒ったり泣いたりする
など
インフルエンザ脳症の症状がある時は、すぐに医療機関を受診し適切な治療を受けることが重要です。
さいごに
インフルエンザの感染予防には、予防接種や手洗い・うがい、マスクの着用など日頃からできる予防方法もあります。
感染を予防する為にも日頃から栄養と睡眠をとり免疫力を高めたいものですよね。
インフルエンザの症状である38度以上の発熱、全身の倦怠感などがある場合には早めに医療機関を受診しましょう。
医療機関を受診の際にはマスクの着用、帰宅後には必ず手洗いを忘れずにしましょう。