首都圏の私立小学校の良さは「環境」整備

あえてエスカレーター方式を選ばないという選択

いわゆる「受験小学校」の場合、中学校以降は外部に出て学ぶという道しかありません。
あえてそれを選ぶ親もいます。
付属中学校があったとしても、偏差値が低いという場合には、改めて中学受験に挑むことになります。
あるいは、中学以降は女子高になる場合には、男子は中学受験を余儀なくされます。
このように、小学校受験を終えたあとすぐに、受験小学校の場合には次の進路を考えなければいけません。
親の意向としては中学受験をスムーズに迎えるために、私立小学校に通わせるという高い受験意識に基づいて考えているわけです。

学校側が中学受験をバックアップ

都内では中学受験を大前提に私立小学校に通うことが当たり前という風潮も一部の親に浸透しています。
既に授業自体が高レベルのものであり校内テストなどが自己啓発に繋がるのです。
小学校受験の際に子供の年齢は6歳です。
そこから6年度の未来のために準備を始めるという高い意識は首都圏の私立小学校の中でも受験小学校には強く根付いている意識です。

実際に中学受験を目標に置いた状態で受験小学校では独自の取り組みをしているのです。
例えば塾と共同でテキストを独自に作り中学受験対応をする場合や、学内での実力テストを頻回行うことで進路指導を早期に受けることが出来るシステムなどが構築されているのです。
子供の負担も最小限にした状態で高い教育を小学校に通うことで受けられるという最大のメリットがあるのです。
公立小学校では特に、学校のほうから中学受験の支援を受けることはありません。
自分たちで塾に通うということが精一杯です。

共働きでも私立小学校へ進学

一昔前までのお受験ブームは、富裕層だけの特権というイメージがありました。
親子代々で名門小学校に通うことが家訓になっている、という家庭にしか縁のないものとして捉えるのが当たり前のものでした。
それでも、共働きの家庭でも小学校受験に対応することが多くなってきました。
都内の名門小学校の親を調査すると半数が共働き世帯であることもわかりました。
親世代も高学歴で仕事を持っていることから、子供が生まれても仕事を続けるというパターンが多いからです。
わが子には良い教育を受けさせたいという一心で、受験を決めることも少なくはありません。

都内の名門小学校と呼ばれるところでも共働きの親が多くなってきました。
小学校受験のための塾も、祝日や土曜日の午後などに講座を開設するところも増えてきましたので、通塾にも事欠かなくなりました。
一部の人はシッターさんを利用して、通塾の間だけは依頼をして塾に通わせるというシステムを利用するのも、今の時代には珍しくなくなりました。
首都圏に住まいがある家庭にとって中学受験は、少しも珍しいものでもなくなりました。
その意識改革は自然に起きたものであり地域性ということでもあるようです。

学校説明会での親の意識の高さ

季節に関わらず有名小学校の説明会ともなると両親揃って参加をすることが当たり前です。
そして、校長先生や主任の先生が語る時に向ける眼差しは真剣そのものです。
スーツに身を包み最敬礼をするような仕草を見るだけで、この場所は特別な場所であると痛感させられるものです。
それだけ、意識が高く学習意欲の高い子女が集まると考えられます。
そのような場所に、親として集えることを光栄に感じ、子供の教育に対しても前向きになれる機会というのは、素晴らしいことです。

首都圏の有名小学の説明会などに参加することで、親としての意識も高まります。
周囲の親の様子や学校教職員の様子を目の当たりにすることで、どれだけ伝統のある小学校で格式が高いのか？ということもすぐに体感できるのです。
ある意味、小学校受験とはどういうものか？を情報だけで聞くよりも、ご自身をその場に投じることで、より一層、受験ということの意味やその小学校への合格を何としても目指したいという意欲に親が目覚めるものです。

小学校受験とは中学受験の前哨戦ではありません

中学受験を回避するための小学校受験という捉え方をしている親も少なくはありません。
それでも実際は、小学校受験だから楽ということは少しもありません。
そもそも、小学校受験に子供の意思や意欲が100%、反映されているものでもありません。
中学受験の場合には、個人の偏差値というものははじき出されます。
そこで子供自身が一発奮起をして中学受験に本腰を入れられるようになるのです。

一方小学校受験では有名小学校であっても偏差値を参考にすることはありません。
私立小学校には一律の世界観があります。
ペーパーテストや行動観察、面接を通して総合的な内容を吟味したうえで合否が決定します。
つまり家庭と学校がどの程度しっくりと噛み合っているのか？が決め手になるのです。
子供と学校の相性と、家庭と学校の相性が両方良くないと合格は厳しくなるのです。

考査する側はプロの教師

小学校受験の考査を受けた結果を、つぶさに採点をしてその子の持ち味や才能、そして個性などをプロの教員が審査するのです。
子供の素顔は行動観察の場面で必ず顔を出します。
誤魔化しようのない状況で、子供が大きな失態をした場合や、道理に合わない行動を取った場合には、残念ながら合格圏内からは外れてしまうと考えておいてください。
ノウハウがどの程度あったとしても、身についたものは簡単には取り繕えないのです。

小学校受験は中学受験のように実力だけで突破できるものでもないのです。
そこは全く別次元の話であると認識しておいてください。
首都圏の有名私立小学校においてもその考えは全く同じです。
実りの多い時間を子供がどの程度、受験準備期間中に過ごせるか？がとても重要なのです。
幼児期に必要な五感を磨くという訓練こそ子供の素地を作り上げるのです。

子供のために鋭い洞察力を持つ

果たして小学校受験の準備期間中に、自分の子供がそれを体験することで

伸びることが可能かどうか？
向いているかどうか？

というところを事前に親が選別できることもかなり重要になってきます。
気鋭の幼児たちが有名小学校の受験には集います。
親の雰囲気にも圧倒されないように、ご自身も自分を磨き見識を深め、周囲に引けを取らないように、その小学校を受験する親として堂々と振る舞えることが望ましいのです。

子供の1カ月というのは、驚くほどの伸び率を示す時間でもあります。
今月できないことが次月には悠々出来るようになることも多々あるわけです。
受験をする年の夏以降、志望校を事情によって変更をする場合もあるでしょう。
それは堅実な選択な場合もほとんどです。
そこは卑下することなく堂々と振る舞うようにしてください。
それが有名私立小学校の威圧感に負けない唯一の方法だと考えます。