子供の考える力を伸ばす家庭環境作りとおすすめ本5選!
子供の考える力を伸ばすためには、幼児期にたくさん考え、自分の言葉で話をすることが大切になります。発達が著しい幼児期の脳を刺激することにより、考える力が鍛えられます。社会人になって未来を切り抜くためには、変化にも柔軟に対応する力が必要になります。幼児期から親子で料理などの家の事をする事によって、他社と協力して答えを導き出す力も身に付きます。
「現在日常的に行われている仕事のほとんどをロボットが受け持つようになり、10人中9人は今とは違う仕事をしているだろう」というGoogleCEOのラリー・ペイジ氏の言葉を初めて目にした時は何とも言えぬ不安感に襲われました。
さらに、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は「オックスフォード大学の調べでは、20年以内に現在人間が行っている47%の仕事が機械によって代行される。来るべき未来を意識するように。」と述べています。
両者の言葉はあまりにも有名で、このコラムをお読みのママたちは既にご存じの事と思います。
あなたは、この予測に対しどのように対応していきますか?
いったい、「来るべき未来」をどう「意識」すれば良いのでしょうか?
近い将来訪れる「その時」の為に親が子供にしてあげられることは何でしょうか?
このコラムでは、お勉強や習い事では培うことのできない「考える力」について踏み込んで考えていきます。
目次 |
▼ これからの社会で子供の教育はどのようにかわっていくか |
▼ 幼児期にできる思考力を伸ばす関わり方 |
▼ IT社会を生き抜くために必要な「考える力」「解決する力」 |
▼ 問題や壁にぶつかっても「解決していく力」をもっておく |
▼ 「変化」に柔軟に対応する力をもつために親ができること |
▼ 幼児期の子供の考える力を育むおすすめ本5選! |
▼ まとめ |
これからの社会で子供の教育はどのようにかわっていくか
文部科学省は、「これからの社会の変化は、これまで我々が経験したことのない速さで、かつ大きなものとなるとの認識に立って、豊かな人間性など『時代を超えて変わらない価値のあるもの』(不易)を大切にしつつ、『時代の変化とともに変えていく必要があるもの』(流行)に的確かつ迅速に対応していくという理念の下に教育を進めていくことが重要であると考える」(引用:文部科学省 中央教育審議会答申等より)とし、学習指導要領の改訂に踏み切ります。
幼稚園は2018年度より全面実施されており、小学校は2020年度、中学校は2021年度より全面実施、高校は2022年度より年次進行で実施される見通しです。
冒頭で挙げた二人の言葉と違わず、日本でも社会の変革を受け「社会に開かれた学習指導要領」へと変わります。学校での教育が学校の中だけのものとならないようにする、という方向性です。
改訂のポイントは以下の3つです。
- 資質・能力
- カリキュラム・マネジメント
- 主体的・対話的で深い学び=アクティブ・ラーニング
学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」という表現が各所で使われており、これまでの受け身といえる学びの姿勢からアクティブ・ラーニングへとシフトしていくという狙いが貫かれています。
幼児期にできる思考力を伸ばす関わり方
思考力を伸ばすには幼児期が最も重要だと考えます。
なぜなら幼児期は前頭葉が急激に発達する時期であり、この時期に脳に負荷を与えるほど知能はグングン高まると考えられるからです。
「負荷を与える」といっても、骨を折るほどのことではありません。
日常においてパパやママができることです。
例えば、
- 子供に1日の出来事を順を追って話させたり
- 絵本を読んで感想を聞いたり
(もっとレベルを上げると、あらすじを話させたり) - 折り紙や粘土といった手仕事をたくさんさせたり
- 文字を書かせたり
- お手伝いをさせたり
といったことです。
普段の生活の中で少しだけ意識すればできるようなことばかりですよね。
最も大切なのは、子供に自分の言葉で話をさせることです。
言葉と思考は密接に関わり合っており、言葉を知らなければ思考の幅が広がるはずがありません。
面倒くさがらずに子供の話をよく聞き、単なる会話ではなく対話をすることが重要です。
加えて、子供が「これやりたい!」と言ったら、些細なことでも欲求を満たしてあげるのも思考力を伸ばすポイントです。
これにより自分は何をやりたいのかを考えられるようになり、さらにそのやり方を考えるようになります。
丁寧な対話を心がけたり、子供の些細な欲求を満たしたり、子供の思考力を伸ばすためには子供主体の生活が大前提となります。
子供の思考力を伸ばしたければ、決して、親の都合で子供をいつも振り回すなんてことはあってはならないのです。
IT社会を生き抜くために必要な「考える力」「解決する力」
極端な話、これからの時代(既にそうなっているかもしれませんが)、「知識」は全てITにお任せできるので我々人間には必要ないと言っても言い過ぎではないでしょう。
これから先、白か黒か、答えのある問題にはAIが対応してくれます。
そのような時代に人間には何を求められるのでしょうか?
迫りくる激動の時代においては、出口の見えない問題に直面する場面が多くあると思います。
答えがあるかないかすら分からないような問題にぶち当たった時に何よりも大切なのは、粘り強い思考力(考える力、解決する力)です。
それは付け焼刃でではどうにもなりません。
個人の性質として、脳みそを酷使するほど考えるという習慣があるか否かという根幹の問題となり得ます。
我が子にその力をつけさせてやりたいと考えるのであれば、幼児期からの訓練が絶対的に必要であることは言うまでもありません。
問題や壁にぶつかっても「解決していく力」をもっておく
IT社会において必要なのは「考える力」と「解決する力」であることは先に述べました。
実は、真の「考える力」とは、「問題にぶつかった時に解決する力」だと考えます。
先行きの不透明なこの時代だからこそ、子供に「自分の力で生きていってほしい」と願う親は多いはずです。
今まで考えられていた「これをしておけば安泰」という事柄は、ほとんどが意味のないものへと変わっていくでしょう。
「安泰材料」なくして社会で戦っていくためには、解決する力は不可欠なのです。
幼児期の親との関わり方でこの力を育てられるのであれば、是非積極的にその力をつけさせてあげたいものです。
「変化」に柔軟に対応する力を育むために親ができること
IT化、グローバル化、科学技術の発展等、世の中は想像以上のスピードで変化を遂げています。
子供たちが大人になるころには、そのスピードはさらに加速している可能性が高いです。
そのような社会においては、変化に柔軟に対応する力をもっていることも未来を生き抜くための重要な要素です。
その力を育むための家庭における親からの働きかけがあるとすれば、幼児期から学童期において親が子どもと一緒に課題に取り組むということです。
ここでいう「課題」とは、どんな小さなことでも構いません。
例えば、
- 飼っているペットのしつけ方だったり
- 料理のしかただったり
何でも良いのです。
答えが明確でないからこそ粘り強い思考力が必要となり、それを一緒になって唸りながら考える親の背中を子供はよく見ています。
さらに、これをすることにより個の思考力だけではなく他者と協力して答えを導き出す力も身に付きます。
繰り返しになりますが、これからの社会では、そもそも答えがあるのかないのか分からないような問題に直面する場面も多く出てくるのだと思います。
その問題と対峙した時に、幼いころのこの経験は、非常に有効な糧となるでしょう。
幼児期の子供の考える力を育むおすすめ本5選!
子どもの考える力を育むためにに実践しやすい参考となる本を紹介します。
考える力を育てる! 園で人気の「切り紙」
園児(満3歳)から始められる切り紙の本です。
手先が器用になり、考える力がつく!
動物やお花、UFOやリボンなど、男の子も女の子も夢中になるモチーフが沢山!
切り紙を通して、幼児期の子どもたちの集中力・思考力・創造力を育みます。
発売日 :2014年03月15日
著者/編集:辻 雅
出版社 :PHP研究所
世界で800万人が実践! 考える力の育て方 ものごとを論理的にとらえ、目標達成できる子になる
世界的ベストセラーのビジネス書『ザ・ゴール』の著者が開発した
- 子どもの考える力を伸ばす「3つの思考ツール」
- それらの思考ツールを家庭で効果的に活用するためのコーチングやファシリテーションのスキル「6つの秘訣」
の紹介。
子どもの考える力を伸ばす親の習慣 「指示する、答えを教える」から「問いかける」へ
本書の方法を実践することにより、思考力が高まるだけではなく、
問題解決力やコミュニケーション力、壁を破る力、創造性、協調性、
思いやりの心が育まれます。
発売日 :2017年07月13日
著者/編集:飛田 基
出版社 :ダイヤモンド社
「考える力」がある子どもの育て方
考える力、それは、子どもにとって一生の財産となる力です。
- 考える力があれば、勉強はもちろんのこと、友だちづきあいだってうまくいきます。
- 思わぬトラブルにあっても、それを解決し、乗り越えていくことができます。
- 考える力、それは、人生を乗り切る強さを与え、子どもを幸せにする力なのです。
では、いったいどうすれば子どもに「考える力」を身につけさせることができるのか。
本書では、
・「考えられる子どもを育てる『親の態度』」
・「子どもに考えさせる会話術」
・「『考える力』を育む生活習慣」
・「こんなときは考えさせどき」
・「考えられる子どもが育つ家づくり」
の5つの観点から、子どもに考える力を身につけさせるヒントを紹介します。
日常生活の中で、子どもとの接し方をちょっと変えるだけで、子どもの考える力はみるみる伸びていくのです。
発売日:2009年11月26日
著者 :山本紫苑
出版社:PHP研究所
考える力を伸ばす!心を育てる!読み聞かせ366話
子どもの頭と心を育てる選りすぐりのお話を、1日1話366日分まとめた読み聞かせ絵本。
1話1~2ページの構成で、3分程度で読めます。
日本の名作や世界の童話はもちろん、季節の行事にちなんだお話や、神話、伝記など、ためになるお話も多数。
それぞれのお話には、読み聞かせのポイントや豆知識が掲載されています。
お子さんとのコミュニケーションを広げるヒントとして役立ててください。
発売日 :2015年12月
著者/編集:新星出版社
出版社 :新星出版社
ポケット版 もっと! 考える力を育てるお話100
大好評『もっと! 考える力を育てるお話366』中から、特に身近なお話を厳選して再編集したお話集です。
持ち運びに便利なポケット版で、おうちでの読み聞かせはもちろん、お出かけ先への持ち運びにも便利になりました。
【章構成】
・第1章 想像力をのばす 世界の童話
・第2章 発想力をうむ 日本のお話
・第3章 自立心を育む 世界のお話
・第4章 実行力を育てる 歴史と伝記のお話
・第5章 好奇心にこたえる 科学のお話
発売日 :2016年08月01日
著者/編集:PHP研究所
出版社 :PHP研究所
まとめ
「考える力」は一朝一夕には身に付きません。
IT化やグローバル化を踏まえて、英語やプログラミングといった習い事をさせることはもちろん間違いではありませんが、「考える力」を育てることは、もっと大切なのではないでしょうか?
幼児期からの家庭での親とのかかわり方が子供の「考える力」を伸ばせるのであれば、全力で、伸ばしてあげたいものですよね。